#小説小説

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ジェンダー・クライム

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大学生が集団で酒を大量に飲ませたり、トイレに行って席を離れた隙にレイプドラッグを仕込んだりして強制性交をするケースをなんどかニュースで見たが、加害者を擁護するわけでもないが、あれはほんとうにどちらも得しない。 ばれなかったり被害者が泣き寝入りしたら加害者が得するのだろうから、水面下で埋もれている多くの事件もあって、その事実を知ると無力にも感じる。 ただ、今の時代は犯罪を犯すと一生ネットから消えることはできない。消える権利があってもXのように言論の自由がある程度保証された場では何度もそのニュースが繰り返される。 君の名前は一生汚点として残り続ける。 そう気づいただけで抑止力にもなるはずだ。 それなら風俗に行ったほうがすべて安上がりかもしれない。 風俗が性的に平等であるかどうかとかいった議論はここでは置いておいてほしい。

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アンダーグラウンド

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村上春樹の執念と文筆によって結晶化した地下鉄サリン本

村上 春樹

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呼び出された男

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スウェーデン文化や街についても知りながら、ミステリーを読める 明確な結末や、トリックがないものもあって、さわやかな読後感や自分で楽しめる余韻を与えてくれる。

ヨン=ヘンリ・ホルムベリ/吉野 弘人/繁松 緑/関根 光宏/森 由美/内藤 典子

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森の来訪者たち

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著者のニーナ・バートンさんは、スウェーデンで抒情詩とサイエンスを組み合わせた独自のスタイルとして人気という。 彼女の作品は、知的な科学に基づきながらも、一般的な発見や感情に起因したもので親しみやすくもわかりやすい。 こどもの本棚に置いておきたくなるような本。 スウェーデンの田舎のコテージを買い、そこで執筆作業をしながら訪れる来訪者たち(リスやアリ)との交流を描いた幸せになる作品。

ニーナ・バートン/羽根 由

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ありのままのアンデルセン

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なんだか、あいまいな目的とよくわからない導入のせいでいきなりコペンハーゲンからアンデルセンを追いかけるドラマが始まってしまったぞ、、、って感じのおいてけぼり 翻訳のせいなのかな。とっても読みにくくて、、、 マイケル・ブースはイギリス人ならではのブラックジョークが効いた文章がいいので、もっと尖ってくれよ

マイケル・ブース/寺西のぶ子

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幽玄F

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『幽玄F』は、空と飛行への情熱を抱く一人の男の物語である。主人公・易永透は、航空自衛隊の天才パイロットとして描かれ、その生涯は空への憧れと葛藤に満ちている。彼の人生は、自衛隊での経験から始まり、やがて予期せぬ出来事によって自衛隊を離れ、タイやバングラディシュへと流れていく。透の物語は、彼の内面の葛藤と外界との関わりを通じて展開される。

佐藤 究

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点と線

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本好きの年配の方が「え、、松本清張読んだこと無いの?彼は衝撃だったし、今はもうこんな作家現れないね」と言っていた。 松本清張の短編のほうが好きらしいが、まずはミステリーの、松本清張の入門作とも言えるこの作品を選んだ。 少し時代を感じさせる2000年代のドラマを画質があらいのをしょうちで見るような感覚だが、内容自体は名作。その時代を風靡するかのようなドラマだった。 彼が、僕の松本清張への道を開いていくれた

松本 清張

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82年生まれ、キム・ジヨン

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韓国が日本と同じくらいに女性差別の激しい国だという印象はなかった。 話題となっている夫婦別姓問題では韓国はその先進的な例として声高に宣伝され、あたかも女性の権利を養護しているとの見方が強い。 そう想って小説を読むと、ここで描かれている実態とぼくの思い込みには大きな乖離が合った。 同じアジアの近しい文化の国、韓国が抱える問題はぼくらも黙ってみているわけにはいかない。 しっかりと他山の石として両国ともにアジアの地位を上げるべく協力してやっていかなきゃ行かないだろう。 男女どちらに例えるわけにも行かないが韓国と日本の婚姻関係もまた平等で公正であるべきなのだから。

チョ・ナムジュ/斎藤真理子

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十の輪をくぐる

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十の輪は2つの五輪、すなわち1965年の東京オリンピックと2021年の東京オリンピックの話が折り重なる世代の話をさす。 バレーボールが得意な娘を持つ泰介の現在の話と、今は認知症になってしまい息子である泰介の介護を必要とする母、万津子が若かりし頃の話が同時に進んでいき、両者が次第に折り重なっていくかんじ、あの五輪の輪っかをブルーインパルスが描いてだんだんとすべての半円が円になり、そして五輪へと変わっていく瞬間を10つの輪で表現してくれた小説。

辻堂 ゆめ

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推し、燃ゆ

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推し活。男子だと坂道系グループや他の女性アイドルを推している人。女子だと韓国系アイドルやジャニーズ、他J-popアイドルを推している人。 他にも俳優だったり、グラビアだったり自分の好きなことをやっているあこがれの人を推している人がいる 正直なところぼくには推している人がいない。そのせいでオタクの心がわからない。 そんな人にとっても推しの存在の大きさ、推しに影響される日々、生活の楽しみ、お金の使い方。そしてそれらを含めて「推す」ということがわかる。 今の時代を反映した切実で苦しい物語

宇佐見 りん

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パン工場はワンダーランド 深夜バイトはネムネムフラフラ日記

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ヤマザキパンがどんなものかを知れる 多様な人材、多様な暮らし

野村雅之

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我が手の太陽

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溶接工としてはたらく伊藤、周りからうまいと称賛されてきたが最近は不調なのかうまく溶接ができなくなっている。 他の溶断工や現場監督、検査員とのやりとりから見えてくる工事の世界とその中での一人のやりとり。

石田 夏穂

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ちくま小説選

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以前のちくま小説入門版がおもしろい小説が多かったので読んでみたが、近現代の小説しかなくてつまらなかった

紅野謙介/清水良典

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ムーンライト・イン

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拓海くんが迷って迷ってペンションに移り住むことになってみんな色々抱えているんだよねっていう話。 <br> 昔話題になった「カルテット」とは比べられないほど内容はゆるっと怖さが少ないものなので楽しみやすい

中島京子

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ゴー・ホーム・クイックリー

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戦争に負けたGHQ占領下での日本で法制局に務める佐藤に新憲法作成の白羽の矢が立った。 米との折衝と、極東委員会の思惑、変わる世界情勢と衆議院、貴族院、皇族、市民 だんだんと僕らが今日70年いじょうたってもかわらないままの日本国憲法の形になっていく姿を見るととても感慨深い 「押し付け憲法」と批判する人も、「護憲」を叫ぶ人もいったんこの話を読んでもういっかい未来について考えたみたくなる

中路 啓太

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Schoolgirl

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なんだかな。描写がとても面白くて、話したいも面白いのに、いやむしろおもしろいからこそ、なんだか儚く読んだ感想が消えてしまう。

九段 理江

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我が友、スミス

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身長155cm、体格的には恵まれているとは言えない冴えないOLが筋トレでボディービル大会を目指す話。 筋トレの部分の情報の正確性だけでなく、「女性」が世間的に求められるもの、そしてそこからの脱却を目指して筋トレをしてもも逃れられないものに焦点を当てていて考えながらも楽しく読める。

石田 夏穂

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成瀬は天下を取りにいく

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舞台が滋賀なので楽しめたけど、

宮島 未奈

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東京奇譚集

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村上春樹の短編集。おもしろいのがおおいよー

村上 春樹

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クララとお日さま

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優秀な大学に入るためにはほとんどの人が、遺伝子編集を受け、AFを持ち歩く。 子供同士での”お茶会”的な「交流会」というものにも出席して大人としての知性・品性・社交性を学んでいく。 その中の1つの家庭でジョジーの世話をすることになったクララとジョジー、その周りの人々との関わりあい。

カズオ・イシグロ/土屋 政雄

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乳と卵

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乳と卵とかいて、チチトラン。タイトル通り豊胸したいと嘆く母と、生理に、初潮に悩む思春期の娘の話。たった二人の話じゃなくて、彼女らが東京の妹(おばさん)のところで過ごす時間を描いたのが楽しめる設定。

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夏物語

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大阪の下町に生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子には「自分の子どもに会いたい」という願いが芽生えつつあった。パートナーなしの出産の方法を探るうち、精子提供で生まれ、本当の父を捜す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言い、子どもを願うことの残酷さを夏子に対して問いかける。この世界は、生まれてくるのに値するのだろうかー。 ――― Google Booksより

川上 未映子

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夏の騎士

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どこまでが実話なのか、百田の子供の頃の「スタンド・バイ・ミー」

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美女と竹林

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森見登美彦が竹林を整備するエッセイ

森見登美彦

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太陽の塔

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森見ワールドのすべてが詰まっており、世間一般の京大生のイメージと、京大生の理想とする京大生と、その他諸々がすべてそろった完璧な小説

森見 登美彦

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プリンセス・トヨトミ

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万城目 学

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聖なる怠け者の冒険

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京都の土曜日を舞台に小さなドタバタ冒険が駆け巡る。

森見登美彦

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1ミリの後悔もない、はずがない

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はじめ3編は短編同士に関連があって、高校生の青春的恋愛を感じて夏にピッタリな内容だった。残りの小説はあまり恋愛要素が感じられなかった。高山くん。

一木 けい

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ボックス!

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「風みたいな子やったなぁ」

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昨夜のカレー、明日のパン

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木皿 泉

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有頂天家族

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僕ら人間が生きる世界と同時にタヌキたちの生きる京都の世界もあるのです。

森見登美彦

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カエルの楽園

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出版された2016年からはや7年以上が立った中で、その当時の僕が想像していたのとどのくらい今の日本は外部(内部に存在する外部)の侵略を受けているのだろうか?世の中が表面的な軍事部分を柔術させると同時化それ以上に、内部から(情報や教育、ニュース、政治、マスコミ)の影響力の浸透も大きい。カエルたちのように、茹で上がる鍋の温度に気づきにくい日本人たちはそれが良さでもあって、ちょっとまずい部分でもある。カエルたちの楽園が奪われてしまわないために、僕らもつよくいきねばならないのだー。

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熱帯

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なーーーーーんとも奇妙でよくわからなくなるけど惹かれるようで、難しいようでっていう本だった。

森見 登美彦

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有頂天家族二代目の帰朝

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おもしろいんだから早く続きを出してくれよぉ

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宵山万華鏡

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祇園祭の宵山は例年、繁華街が歩行者天国になり両面を屋台が囲むため多くの地元民、観光客でごったがえす。宵山の怪しげな雰囲気と金魚のような少女たちを幸いにも見かけたことはないが、京都の歴史ある祭、祇園祭の宵山にはなにかそういった怪しげな出来事がありえそうなにおいがプンプンする。宵山の雰囲気に飲まれたくなる、蟷螂山が見たくなる、気だるい暑さの中で屋台のビールが飲みたくなる。そんな宵山万華鏡

森見登美彦

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夜行

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森見登美彦のミステリー。はじめ読んだとき、気持ち悪いようなぞくぞく感があってホラーが苦手な僕がギリギリ楽しめるくらいのミステリー系だった。鞍馬の火祭前の夜に鴨川で読むのがおすすめ。

森見 登美彦

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新釈走れメロス

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【新釈】山月記。文人が虎になって山道で人々を襲っていた所、かつての親友に会って涙を流す話。京都大学と京都の出来事をうまく織り交ぜて、山月記にうまく落とし込んでいる。夏の大文字、五山の送り火、留年と休学を繰り返す麻雀狂いの男たち、虎視眈々と将来を見据えてみちをふみはずさない優秀な人間たち、こうした魅力あふれる、百万遍界隈にあふれる人間たちを余すことなく書き記した新釈古典名作

森見登美彦

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ナラタージュ

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島本理生の小説は純愛物語とか恋愛小説とかのジャンルとしておすすめだと聞いたから夏に読みたくなって読んでみた。演劇部を卒業した女子大生と元顧問との曖昧な関係がどうなっていくのか。彼女が高校生から女子大生へと大人に近づいていく中でどう変わっていくのか、恋愛面よりもそういったお年頃の女の子の小説といったカンジダ。

島本 理生

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モモ

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「空白恐怖症」、わかりやすく言うと、スケジュール帳に空白があると不安にかられるため、予定で埋め尽くしてしまう行動を取ってしまう人たち。――― 彼/彼女らが埋める予定は本当に有意義なものばかりなのだろうか。彼らは天気を知らない。天気が分かる前から、自分の予定を決定させてしまうのだ。彼らは偶然起こる出来事を知らない。彼らの予定にはその部分のマージンがない。  現代人は時間をうまく使うことができる人が少なくなってしまった。空いた時間が怖いという、趣味の欠如した人間の不安。これをバイトで安売りしてしまう若者たち。 人生の楽しさを忘れずに生きるな。そういうメッセージを感じる。

ミヒャエル・エンデ/大島 かおり

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島はぼくらと

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友人からおすすめされたサマータイムレンダーにつづく、島物語RelatedWith脚本家編。辻村深月の小説は本屋大賞によくノミネートされるくらいのものでとても読みやすいので誰でも楽しめる。夏に読んで気持ちが良い本。(だけと夏の季節とは関係ない)離島や田舎といった部分にありがちな、高齢者や島民とwebデザイナーといったフリーランス系の軋轢、医療問題、過疎化、航行への通学といった面にしっかり焦点があったため楽しめたが、瀬戸内海の島に火山があるっていうのは正直よくわからん設定すぎて島民避難とかのレベルじゃないだろって突っ込みたくなった。

辻村 深月

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光のとこにいてね

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美しいようで、儚いようで、確信的な部分がない人生を生きる2人のお話。読んだ後もいろいろと考えながらさっぱりと気持ちの良い朝か夕方の散歩道をあるきたくなる気分。

一穂 ミチ

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コンビニ人間

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クズの話。障害を持ち、コンビニバイトの毎日。生きがいはバイトとしての自分。途中クソ客と喧嘩するが妹とも仲が悪くなる。結局仕事をやめても自分のかわりはいっぱいいることに気づいてしまう。しかしコンビニでのおせっかいが止まらない。見ていて、読んでいて悲しくも理解できなくもなるも、少し自分にもわかってしまう部分もある。

村田 沙耶香

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機械仕掛けの太陽

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中国でのコロナウイルスのニュース、ダイヤモンド・プリンセス、マスクやトイレットペーパーの品切れ、アルコール消毒品の入手困難、GOTO――これらは過去の出来事となり、今となっては少し記憶から消え、日常が戻りつつある中で、この物語は、いつか読み返された際、フィクションのような話に聞こえるかもしれませんが、実際に現実世界で起きた恐怖の記憶だ。そして、今も僕らが日常を歩みだそうとしている中で最前線でコロナに立ち向かっている医療現場その他もろもろの人間がいるということを忘れたくない。彼らへの感謝を忘れずにいたい。そして、亡くなられた方々に敬意を捧げたい。

知念 実希人

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特殊清掃人

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孤独死して数日が経った後の部屋を片づける。想像よりも体液の腐敗と蛆虫とハエとほか、排泄物とが入り乱れた部屋。

中山七里

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ウィステリアと三人の女たち

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ウィステリア。Wisteria、日本語で藤の木のこと。雰囲気は美しくまさに月光がふりそそぐ夜に、藤ノ木の下を通るあの瞬間のような美しさと妖艶な怖さとが共存している。 ただ、最後に残るのは村上春樹を超えられなかったという感想だけだった。

川上 未映子

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代理母、はじめました

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「代理母」、別の女性の子宮、母体に卵子や精子を提供し、子供を産んでもらうこと。さまざまな問題・課題がある一方で不妊に悩む人やキャリア、人生の一つの選択肢として前向きな意見を持つ人も多い。こうした問題に対してすこし今より進んだ時代で「代理母」が現実に行われた世界を想像して書かれた本。

垣谷 美雨

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野原

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オーストリアのとある町の歴史を紡ぐように、「野原」で眠る29人の死者の語る言葉に目を向ける。大きな事件もなく、過ごした時代の異なる人も混ざる彼らの話から浮かび上がる町のあたたかな、どこかなつかしい町。

ローベルト・ゼーターラー/浅井 晶子

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生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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「どうして7年もたっているのに、(いまさらになって)」 「二人で旅行に行ってるくせに(そのあとのことを予見できたはずでは?)」 セクハラに浴びせられるこうした声、実際は苦悩の末の、時間ゆえの、勇気ある告発なのかもしれない。

井上荒野

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万引き家族

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一昔前に話題になっていた本を、読まずに置いていたのがもったいなく思えてくる良作。成人を迎えるまでは家族の形とか、愛情について考える機会は普通に生まれ育った人にはない。 しかし、この中の登場人物はその愛情がゆがんだ形でしか与えられていなかったり奪われていたりする。徐々に明らかになってくる「万引き家族」のカタチが深く考えさせる。

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縁結びカツサンド

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4つの短編小説に分かれていて、それぞれの登場人物が後の短編小説にもすこしつながっている系なので読みやすい。町中によくあるずっと続いてきたパン屋の経営に悩む3代目とその周りの人たちが織りなす温かいストーリー。

冬森 灯

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それもまたちいさな光

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結婚適齢期を過ぎて幼馴染との結婚を考えつつも,,,というありがち展開だけど、もありがちすぎて気にしたこともなかった女性たちの心のありようが書かれている

角田 光代

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紙の月

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あまりにも女性の幸せがはかないようで理想を追い求めるようで人それぞれで、僕が将来女性とうまくやれるのだろうかと不安にさせてしまう。ブランドに溺れる女性や不倫をする女性、金に執着しすぎて節約/浪費をしてしまう女性。物語に出てくる男性はあまりにのんきで具体的な感情表現がなされていないが女性の感情描写が秀逸で「彼女らはこんなことを日夜考えているのだろうか、彼女にとっての幸せの定義は1日1日とすぐに変わってしまう移り気のモノなんだ」としみじみ感じるとともに恐れを感じた。

角田光代

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おまえじゃなきゃだめなんだ

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角田光代二は高校のときに読んだ短編小説が好きで一度ちゃんと読んでみたいなと思い続けていた小説家。小説のジャンルによって振れ幅があるらしくちょっとこの小説は30代女性のうつうつとした不安とかストレスとかが描かれているわりにライトな印象でもうちょっと考えさせられたり、ヘビーなものを欲しかった

角田 光代

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パープル・ハイビスカス

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事前知識もなく吉田南図書館の新刊コーナーで装丁にひかれて借りた本。はじめ読み始めているうちは統一教会がらみの話とリンクする部分があるのかと思ったけれども、最終的に時間軸と時代の部分で急展開を迎えた印象だった。これといった確定した未来を述べる終わりはなかったけれども彼らの将来を考えたくなる、紫色のハイビスカスのような魅力ある小説。

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ/くぼた のぞみ

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桜のような僕の恋人

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あるある彼女が死んじゃう系恋愛ばなし。

宇山 佳佑

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ペンギン・ハイウェイ

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なんだか、あの頃の、小学校4年生の頃の、歯医者で、歯科衛生士のきれいなお姉さんと話すのが楽しかった自分と、重なるから、とても好きなんだよ。わかるか?少年。わかるだろ。少年なら。

森見 登美彦

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何者

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就活にとらわれた6人の揺れ動く思いがよく伝わり、最後のラストのドンデン返しは怒涛。

朝井 リョウ

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偉大なる、しゅららぼん

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琵琶湖畔で住むのも楽しそうに思える万城目学の一冊。日出家の分家として湖西に住む高校生が高校進学を機に居候を始めた湖東の本家で、歴史ある名家と因縁を繰り広げる中で、高校生活の酸いも甘いもを描く。しゅららぼんがなんなのかわかんなくても、読んでいくうちにわかっていくこの設定の面白さ。なんだか琵琶湖というものにはこうした魅力があるんだから、日本の中でも得意的な存在の湖として君臨できる。琵琶湖にそんな説得力をもたせてしまえるような滋賀の魅力あふれる小説

万城目学

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神去なあなあ日常

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ウッドジョブの元ネタ。長澤まさみなんていたらなぁ

三浦しをん

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世界から猫が消えたなら

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物語でしかありえないストーリーであったからこその面白さ。もし本当に猫がいなくなったとしたら? 身近な人のありがたみ、家族の暖かさそんなものがよおく伝わってくる。余韻としておくのも良いが、父との将来も気になるなあ

川村元気

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世界の中心で、愛をさけぶ〔小学館文庫〕

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骨折した大木を助けた2人の学級委員である

片山 恭一

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心に響く小さな5つの物語

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おかげさまの心持ち。「なにか僕も配達しているつもりで今日まで生きてきたのだが、人々の心に何かを配達するのがおれの仕事なのだがこの少年のようにひたむきに僕はなにを配達位しているのだろうか。」...

藤尾秀昭

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「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける

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鋭利なリズムと深い優しさとユーモアと姿勢がよく、志のある文言

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フォルトゥナの瞳

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「未来予知」をテーマにした小説は往々にして矛盾にぶつかりがちだが、その中で、死を含んだテーマのこの小説は、「自分にもしその能力が備わっていたら」それは大変悩み深い能力なんだろうと、主人公に移入してしまえる内容だった。自分の行動一つ一つが大きな影響を持っていることを改めて実感した

百田 尚樹

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羊と鋼の森

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田舎育ちの平和的な青年が板島さんの調律を目にして、調律師を目指して努力する話

宮下 奈都

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遠い太鼓

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イタリア/英/ギリシャなどのヨーロッパの暮らしぶりがよく分かる面白い本。長編ほど長くないし短編よりは繋がりがあるエッセイ。また何年か後にふとした時に読んでみたい1冊

村上 春樹

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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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名前に色彩(赤、緑など)を持つ5人と持たない僕「多崎つくる」の物語

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騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編

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村上春樹の「騎士団長殺し」はまた一人、憧れるような紳士的男性に出会えた一冊だった。

村上 春樹

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騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編

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還ろうメタファーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

村上 春樹

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羊をめぐる冒険

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広告コピーの仕事を続け、耳のモデルと親しくなる。去ってしまった手紙と右翼のものからの命令で羊を探すために北海道へ行く。 イルカホテルで羊博士に会い、星型羊のいる奥地へ行く。ねずみのいた家で過ごしている羊男が来る。 彼女は消え、本を読んで右翼の故郷が十二滝村だと知る。死んだネズミと会話して…

村上 春樹

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スイッチを押すとき

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自分がもし、スイッチを押したら自分の命が失われるボタンを持っていたら今まで過ごしてきた人生の中でそのボタンを押したくなってしまう瞬間が何度訪れたことだろう?こうして考えてみると、人は自殺という選択肢よりも簡単に実行できる自殺方法があったら今よりももっと簡単に自殺という選択肢を取ってしまうだろう。作中では自殺者が増えすぎたために、「自殺」という行動のメカニズムを探るためにこうしたスイッチを被験者に与えて少年たちを観察するという設定になっている。怖すぎる設定で何人もがスイッチを押して死んでいってしまうことにとても心が痛くなる。今生きているということ、命の重み、これからの選択、小説の中から深いことについてとても良く考えさせられる。

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カンガルー日和

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世界最高峰の短編小説。4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」はぼくを村上春樹にいざなってくれたきっかけ。これの前に読むカンガルー日和のカップルの雰囲気もどこか憎めなくて非常に愛らしい姿。

村上 春樹

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夢を売る男

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出版業界の絶妙なやり取りを見た!スト-リーは爽快感を味わえる作品 ゴミをだまして、アホを丸め込み、ライバル社にスパイを送り込む。おだてて利益を得る。そんな資本主義を生きる敏腕編集長の話

百田尚樹

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鹿男あをによし

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奈良県民はシカに乗って学校に登校するなんて初日に言われたら信じちゃうかもしれない?! 「マイカーじゃありません。マイシカです。」「奈良の人間は、鹿に乗るんです」 奈良県といえどそんなことがないよって思うかもしれないが、万城目ワールドではそれ以上のことが起こっちゃうかもしれない。京都と大阪と奈良、いわくつきの関係の3府県の争いや...

万城目 学

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国境の南、太陽の西

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村上 春樹

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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド新装版

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村上春樹

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地底旅行

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はじめはとてつもなくハラハラ・ワクワク感が大きかったが、洞窟ではぐれた後に出会う軌跡や色々順風満帆になりそうであまり。。。

ジュール・ヴェルヌ/朝比奈弘治

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無人島に生きる十六人

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飽きさせる要素が一つもなく終わっていく面白さ。不満を口ん出すことなく希望を持ち続ける16人の物語は将来生きるために必要な強さを教えてくれた

須川邦彦