光のとこにいてね
“
運命に導かれ、運命に引き裂かれるひとつの愛に惑う二人の四半世紀の物語。
楽天Booksより引用”
おすすめポイント
- ☑幼少期から大人への時間軸、その中で変わるもの変わらないもの
- ☑大人だからわかることがある小説
美しいようで、儚いようで、確信的な部分がない人生を生きる2人のお話。読んだ後もいろいろと考えながらさっぱりと気持ちの良い朝か夕方の散歩道をあるきたくなる気分。
光のとこにいてね
「お前はいい子だよ。だから、ひとりで生きてくのはもうちょっと後にしな。
でないと結局自分がつらくなる。
p.180
「捨てるのはいっつも弱いほうなんだ」
この言葉は小説の中で、もっとも僕の琴線に触れるとともに、この物語の中でも核心をついている部分でもあった。
だからこそ、ひとりで生きていくのを後にする理由というのはなんだろうかと考えてみたくなった。
いい子であるから?、強いから?
人を捨てないのだろうか、むしろ捨てられても大丈夫な強さがあるからまだ、ひとりで生きていかないのだろうか。
名文
「 そういう意味では、学校に行ったほうが、行事とか休み時間を通じてポロッとわだかまりが取れるタイミングは生まれやすいんですけど... 仲直りするために学校に行かなきゃってプレッシャーになったら問題解決が遠ざかりますよね。 宗田さんの意見も聞きながら、もうしばらく慎重に様子を見てはいかがでしょうか。 来月から夏休みですし、二学期になれば急に『行きたい』って言い出す可能性もあります。 子どもって、良くも悪くも『今この瞬間』を生きているので 」
p.289
子どもにとっての「学校」の役割と、親と子どもの見方の違いがプレッシャーを与えているかもしれないことに気付かされる。