パン工場はワンダーランド 深夜バイトはネムネムフラフラ日記
64歳元アスリートがパン工場で徹夜バイト。 ヨレヨレフラフラ、笑いと涙、でもそこには愛と真実がある!?! ベテラン社員VS.多国籍バイト集団 フルオーケストラ並みの機械音に混じって聞こえてくるのは タガログ語やネパール語のおしゃべりと、ベテラン社員の叱咤激励...... 幸せな朝をいろどるパン達は、こうやって作られている。 第一部潜入! 深夜のパン工場 今夜も職人技に酔いしれる 新たな発見パン体型 気がつけばパンコーナー etc. 第二部パン工場はワンダーランド そこまでやるか消毒三昧 伝統引き継ぐ先輩文化 博士と神棚 etc. 第三部パンはいろいろ人もイロイロ 人はおだてりゃ 仕事がなければ、それまでよ 世界の国からこんにちは etc. 第四部人生、是、双六なり 天災はわすれなくてもやってくる 新入社員さんいらっしゃい そうだ! 双六でいこう etc.
おすすめポイント
- ☑パン工場で勤務したことがある人へ
ヤマザキパンがどんなものかを知れる 多様な人材、多様な暮らし
パン工場はワンダーランド 深夜バイトはネムネムフラフラ日記
ヤマザキパンのパンがどうやって作られているかを今まであまり考えずに高校生の頃までは朝食の超熟(パスコ)やロイヤルブレッドを食べてきた。 大学生になってできた友人の何人かは割のいいバイトということでヤマザキパンにバイトをしたことがあり、何回かその経験話を聞いたことがある。 彼らの第一声は決まって「地獄」 から始まる。 「地獄、もう二度とやりたくないね。ベルトコンベアのそばに立ってえんえんと同じ作業をひたすら続けていくだけの仕事。社員さんとかあそこでずっと働いている人はやべぇよ。」 ぼくもその話を聞いてやりたいとは決して思わないが、彼らのバイトを知った後での世界の見方、つらい現実(高給取りと貧困層の世界の違い、ヤマパンまつりの弊害)に対する振る舞いは変わった気がする。 そんな面から大学生にもおすすめかもしれないと思えてしまうパン工場で働いていた人のよくわからない話。
この本はとても読み進めるのがつらい。
どうしてこんなにもつらいのに働き続けるのか? と問い続けながら読んだ。
背景にある日本の貧困問題や、移民問題、日本人の意識にある「幸せ」の定義について考えさせられた。
以前、山崎パンの工場でベルトコンベアに挟まってなくなった女性の事故が報じられた際に、YahooコメントでもTwitterコメントでもバイト経験者が語る恐ろしいような経験談が数多く上がっていた。 「いつか起こると…」「社会に殺された」 山崎製パン工場で60代女性事故死、ネット上で悲痛な声 【急上昇ニュースのウラ】 | 千葉日報オンライン
ヤマザキ春のパンまつりやクリスマスケーキなど、楽しむ上では気づかないその舞台裏にはつらい環境で働かなくてはいけない人がいるという状況に対して胸が痛む。
パスコやフジパンも同じ環境なのか?と気になるところでもある。
どうしてそうなる?: パン工場のベルトコンベアに挟まれ22歳従業員が重体
こういった事例から見てもパン会社はどこも同じような状況なんだと思う。
そうであっても、パン会社などのこういうベルトコンベアの仕事が少なくなって言ってほしいと願うばかりだ。 もちろん、お金が必要な人にとっての働ける環境を奪ってはいけないし、工場の機械化が進んで効率化され生産性が上がったことによって路頭に迷う人が増えてしまうのは良くない。 ただ、「幸せ」の定義が違うにせよ、どんなに贔屓目に見ても報われない人たちの実態を変えていくことができればなと思わせられる内容だった。