葉っぱのぐそをはじめよう
トイレが使えない!紙もない!いざという時、どう出す!?ノグソを始めて43年、ついに見えた命の真理。お尻で見る葉っぱ図鑑88種。
おすすめポイント
- ☑noguso
DOGSOじゃないよNOGSOだよ。NGOの略じゃないよ。NOGUSOだよ。汚いとか言って敬遠しないでやらざるをえないときがあったら、思い切ってやるべきだよ。そのためには心構えが必要だから、予めこの本を読んでおこうよ。
葉っぱのぐそをはじめよう
以前の体験
以前、屋久島の百名山「宮之浦岳」に上りに行ったことがある。
朝から気がかりだったのは2点、
1点目は天気が晴れてくれるかといったことだ。 屋久島はご存じの方も多いがほとんど毎日雨が降る。快晴なことなんてほぼあり得ない。 そんな屋久島の最も天気が悪い宮之浦岳でさえ、僕は晴れてほしいと願った。
2点目は永田岳に足を延ばせるかといった懸念だった。 永田岳は非常に遠い。
往復するだけで普通のコースタイムから+2時間程度、計10時間超のコースとなってしまう。
宮之浦岳から永田岳を往復するというコース、天気が悪かった場合は何をモチベに2時間の往復をしなければいけないんだろうか。
そして体力は持つのだろうか。という懸念もあった。
3つ目が口にはしなかったが、朝が快便ではなかった点だ。
旅行中ならだれもが気にする便問題。
しかし、町中の旅行ならまだましだ。いつでもそこらへんにコンビニエンスストアがある。
けれども、山の中ではトイレができる場所が限られている。
しかも、屋久島では道中にトイレがほとんどなく、携帯トイレの持ち込みのみ許されているため、野糞をすると法律違反となってしまうのだ。
これでは、渋滞中のトイレ問題と同じくらいにやばいじゃないか。
まあ、山の中なら誰かにみられる可能性が渋滞中の10の5乗小さいので安心はできるが。。。
と、前置きが長くなってしまった時点でお気づきの方も多いが、今回はこの3つの懸念すべてが発生したのだ。
まず、天気がクソ悪い。ずっと雨である。しかも冷たいために若干足のほうの感覚がない。
うえに、やばい。便意が… やばいのである。行き道の3時間くらい歩いたあたりでやばくなったのでその先はもうずっと意識しなければならなかったのだ。
というわけで寒さと天気と便意のせいで永田岳を後にしなくてはならず、携帯トイレブースを横目に僕は帰りの屋久島のすばらしい植物たちを楽しむ余裕すらなく、道中を猛ダッシュしたのである。
ほんとうにあれは猛ダッシュだった。
なんでも、漏らしてしまうには副交感神経が働いてしまうことが理由らしいので交感神経をはたらかせるためにアドレナリンを出しまくりながら走っていたのである。 安堵感を一切出さないように。
んなわけでコースタイムの半分の時間で帰り道を走りぬき、無事登山口のトイレで催すことができたのだが、一歩間違ったら走りながら漏らしていたのかもしれないと思うとぞっとする。
もしかしたら、あのとき野糞という選択肢を取っておけば、永田岳にまで足を延ばして、ハリギリの大木やヤマグルマの群生のすごさに思い馳せられたかもしれないのだ。
そう思って後悔した僕は野糞を恐れてはいけないと思った。
かといって何かできることはないだろうと思った。山に行くときにはたとえ屋久島に行く際でもトイレットペーパーは持っていく。 といった対策だけだろう。
しかし、実際には頭のおかしな人間がいた。
それが彼、井沢正名である。
伊沢さん
彼はなんと9年間で病院に入院していた時を除いて(9回ほど)以外をのぐそで済ませているというのだ。
彼の家の近くにいくと確実に一回は踏みそうな勢いだ。
読み始めた当初はネタ系なのかと思ってしまったが、実に理論的、科学的である。 しかも人道、倫理的な配慮も見られる。
すばらしい。 京大にのぐそ同好会でも作ろうかと本気で思案してしまった。
ふつうにみんながのぐそしだしたら物事はうまく回らなくなる。 けれども、その1%程度なら少し人と違うことはしていいよね。
と僕は思っているのでその1%の端くれになる覚悟を持った。
ちなみに排便を外でみられたくない人もいるが、(もちろん皆さんがそうでないと困る。違う人は今すぐ自分の性癖を疑ったほうが良い) 彼は
野外でお尻をまくる行為よりも、ウンコを土に埋めることが重要です。そのためには、排便自体は人に見られないようにトイレなど屋内でしてもかまいません。そのウンコをトイレに流さずに、にわがあれば 庭の土に、なければ大きめの植木鉢やプランターなどに埋めてその土で植物を育てます
p.17
と言っているので、みんな大丈夫(笑)
正しいノグソ
に必要なポイントは6点、 場所選び、穴掘り、拭く葉っぱ、水で仕上げる。 あとは埋めて、目印を置いておく。
葉っぱ図鑑
なんでノグソの本に葉っぱ図鑑が必要なのかと疑問に思われるかもしれないが、トイレにおいて一番分解されにくいのはトイレットペーパーなのである。
したがって、ノグソをする際はトイレットペーパーは使わない。 すべて葉っぱと水で拭くのだ。
というわけで気持ちよくお尻を拭くための葉っぱを紹介してくれるのだ。
この時のポイントは3つ。
- 安心して使える大きさと丈夫さ、そして質のやわらかさ 葉っぱの大きさは幅5㎝、長さ8㎝程度が理想。薄くて破けそうなら数枚重ねればいい。
- 尻触りのよさ 葉っぱ表面の滑らかさ、とくに毛の有無が非常に重要
- ウンコを一価利吸着する拭取力
葉の新しい、古い(枯れ)、裏表でも尻触りは違う。
フキノトウはすばらしいらしく 井沢さんは
「これで拭け! 名前の由来はおしりふき」
p.66 なんて吹聴している
ほんとうにこの本はくそぼんです。
ふきのとうを食べるたびに、舌にふきのとうが触れた瞬間に「あーいい舌触り、さすがお りを葺きやすいだけあるわーーー」などとキモチワルい納得をしながら食べなきゃいけない呪いにかかりそうだ。
植物の季節は視覚で感じるのではなく、旬の味覚を舌で味わうように、肛門で季節を満喫するとかいってシロダモを季節限定ビンテージとかいってるのでまじでおもろい。
他にもヒノキはけつを拭く際にもれてくるので3枚は重ねたほうがいいらしい(多分使わない糞情報)
ヒマワリはいざという時に便利だしきれいなのでプランターに植えるのをお勧めするとか、ノグソが生活の中心のようになっていてネタでしかない。
第3章
第3章は糞土思想というテーマで今の現代にたいする著者の意見が糞に絡めて述べれられている。 納得する場面も多いし、よくもここまで糞にからめて社会を批判できるなと、うならせられる。
ノグソというと汚いから読まないとか、絶対に使わないから読まないっていう考えの人こそ読んでみてほしい。
ぼくもノグソをしようとは思わないけれども、ノグソに対する先入観を払拭できたし、お尻の汚れをも葉っぱで払拭できそうなのでハードルを下げられた。
良本!!!
追記
これを書いたのは昨年の3月頃なのですが、あれからおよそ1年以上がたった中で、2回野糞をしてしまいました。
1回目は昨年の10月。某北アルプス登山道脇の草陰です。
北アルプスでの野糞
このときは早朝、日の出前のすこし空が明るくなり始めた道だった。
森林限界を超えていたため木々はないもののそこには笹が生い茂っていた。
僕はミヤコザサのページを思い出して笹の葉っぱは裏には毛が多いが、表はフッ通に使えることを思い出して、いざ決死の思いでやってみたのである。
結果はカイベンであった。
笹は思った以上にきもちよく。
なんとも自然に放ち、ゴミが出ない、登山道でたまにみかけるあのティッシュペーパーを見なくてすむ、使わなくて済むという点でハマってしまった。
帰りにどこでやったか思い出そうとしたが、脇に少しそれていたため、どこでしたか全く判別がつかなかった。
2回目は早春の大峰で
大峰の山。早春であり、トイレはない。 (と思っていた)
このため、小さなツルアジサイでやったがいかんせん小さすぎててについてしまった気がした。
そのため、殺菌効果のあるクロモジで手を拭いて殺菌完了。
樹木を知り尽くした感覚に浸った野糞体験であった。
おわりに
のぐそはいい。
正直、野山でトイレットペーパーをつかってやるやつより圧倒的にマシだ。
しかもやつらはけっこうとざんどうのすぐそばでやる。
んなやつらはマジでクソである。
持って変えるかもっと奥でやれば誰も気づかないからいいのに。
んだけど、持って変えるのは抵抗あるだろうから、やっぱりみんなのぐそ覚えるべきだと思うけどな-
野グソが世界を救う!? 13,600回を超える野グソ体験はもはや美学だった話 | 株式会社LIG(リグ)|DX支援・システム開発・Web制作