樹木がはぐくんだ食文化

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読んだ日: ()
出版時期: 1996
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おすすめポイント

  • 昔の樹木と食文化を伝える貴重な本

難が転じるナンテン、桜の花の塩漬け、葉っぱの桜餅、ちまき、ニッケイ、京料理。どれも植物が僕らの食文化に欠かせない役割を担っていた。失われゆく樹木の恩恵をすこし身近に感じる本。

樹木がはぐくんだ食文化

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抜粋

クマリンというのは現在では人工的に合成されているようであるが、 もとは南米原産のマメ、トンカマメをラム酒につけ発酵させて、この物質をとりだしたという。

できたクマリン自体は問題ないらしいのだが、クマリンが次第にジクマロールという物質に変化する。 この字熊ロールが有毒で強い溶血作用をもち、これを血液凝固防止剤として使用するのである。

中略)

アメリカではクマリンを食品に添加することは、禁止しているとも聞いている。

p.58

ピンク色はビートレッドや合成着色料で色付けしている。

用語

アルブーズ

  • 意味: イチゴノキのこと(フランス語)

  • 使用例

ヤマモモでうれしかったことが、もう一つある。京都の有名な洋菓子店で、ヤマモモののったケーキをみつけたのである。 大粒のヤマモモが五つものっているケーキだった。 アルブジィエというのだそうだ。 フランス語らしい。フランスにもヤマモモがあるのだろうか。

p.15

調べてみると、ヤマモモ科のヤマモモとは違うツツジ科のイチゴノキのことをアルブーズといって、フランスの一部の地域で食べられるらしい。

南仏やコルシカ島で有名な果物「アルブーズ」 | ともすけのパリ生活

メモ

  • ナンテンハシとして寺院でよく売られているものは「イイギリ」から作られている

    • 中風よけに効果があるという
  • ヨーロッパ陣が朝食のシリアルに混ぜるのはイタリアカサマツの実

    • シチリアの松の実パスタも中国産じゃなくてシチリア産のもの
  • 当時の中国の松の実はkg.100円らしいからどんだけ日本に来る間に値段が跳ね上がってしまってるのかと悲しくなった

  • 高知県安芸市栃ノ木では時期によってどんぐりから作った「カシ豆腐」なるものが売られている

おいしい風土こうち

  • 日本で救荒食として守られてきたトチノキ(英名:Horse chestnut)はヨーロッパでは食べられない

  • 柏餅のカシワの葉は現在そのほとんどが中国と韓国からの輸入に頼っており、生産しているのは青森県ぐらいだという。

  • ネズミモチからもコーヒーが作れる

  • 日本のニッケイは海外のニッケイと違って根からしかとれないらしいので持続的な生産が不可能