3万人の大学生が学んだ 恋愛で一番大切な“性”のはなし

著者: 村瀬 幸浩
読んだ日: ()
本の価格: 1320
出版時期: 2020年12月10日頃
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Cover Image for 3万人の大学生が学んだ 恋愛で一番大切な“性”のはなし
思いを伝える“ことば”で関係性は変えられる。『おうち性教育はじめます』著者のロングセラー本、大幅加筆・新装版!
楽天Booksより引用

おすすめポイント

  • 大学生全員読んどけって本。

僕は日本の性教育がごみくそすぎるっていうことに関して非常に問題意識を持っている。けれども、それだけが日本の性をゆがめているとは思わない。 性に関する部分はプライバシーの観点から日常生活ではタブー視されがちだけれども、それじゃあ自分の性に関する観念がゆがめられてしまいそうだろ。 恋愛するときに相手の気持ちを理解するってすごく重要だと思う。 セックスしそうになるときに「せっくすしよ♡」なんて言ったらムードもくそもないけれども、尋ねなきゃ性的同意って言えないよね。 これが泥酔させたりドラッグを吸わせたりして強姦する行為を処罰しにくくしている一因だと思う。 ってめっちゃ重い話かいたけど、僕らみたいに女の子をレイプする気はなくても、相手の意見を尊重できているか心配になったら読んでみるといいと思う。 恋人に会ったら必ずセックスっていう流れに疑問を持ったら読んでみようよ。そして相手にも確認できる余裕があればしてみようよ。 そんな思いから読んだ本でした。この感想を書いたせいで僕のパソコンの予測変換に若干卑猥な言葉が出てくるようになったけれども堂々としているさ。 @2024-04-09に再び読んで

3万人の大学生が学んだ 恋愛で一番大切な“性”のはなし

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はじめに読んだのは、2021年05月28日だった。

付き合っているのになぜ?

DVにはドメスティック(家庭内の)暴力だけじゃなくて、交際関係上の相手への暴力「デート・バイオレンス」もある。

これをデートDVという。

直接的な暴力に限らず、「サークルに入るな、男と遊びに行くな」のように相手に干渉したり、制限を加えたりするのも精神的な暴力に当たる

この本は、大学生を対象にした講義、そしてその講義を受けた学生からのフィードバックをもとに構成されている。 学生たちの講義跡のレポートには「デートDV」に当たるようなことをされてきた経験を語るものがいくつかあった。

  1. 講義を聞くまでは自分がされていたことがDVだと気づかなかった
  2. 自分のことを愛してくれているからこその、暴力だとおもっていた
  3. 自分が暴力をふられて、怒ったり泣いたりすると「もうしない」と謝ってくるので、本当は悪い人じゃないと思っていた
  4. 私がいなくなったら、彼はひとりで生きて行けそうにないので我慢していた

男は、性関係が始まると暴力を表面化させるという特徴がある。

性教育や根底にある意識の問題として、「セックスが対等の関係」のもとではないという意識がある。

それまでは対等の関係であったものが、セックスを通して縦の関係に代わっていく瞬間になってしまうことが多くある。

こうした意識には男の人自身も気づかないことが多いので、その人をただ責めることはできないが、意識を持たせる必要はある。

学生の多くのレポートから、少なからず自分の今までの経験と照らし合わせたり、相手のことを思いやる気持ちがさらに芽生えたりといくつかの発見があったことがわかる。 日本の性教育のレベルは低いし、大学の教育のレベルも低い。

てきとうに単位を取って遊んでいる大学生たちに情報セキュリティの必須化とか、論文盗用の禁止に関する倫理的な授業をやるよりも、こういった性教育について「大人」に近付いた今だからこそやれる授業があるように思う。

そしてそれが与えられるまでは、この類の本で僕らが自発的に気づいていくしかないのだろうな。

納得のいく関係づくりへの道

「初体験」は早い、遅いが大事なのではなくて、「幸せ」だったかが大切だ。

日本の性教育は「性行為の楽しさ」の視点が欠落している。 海外では重要な項目の一つとなっている点と比べても、日本の教科書にはクリトリスが図示されていないという点も笑える。

日本人はセックスよりもおいしいものを食べたときのほうが「幸せ」を感じるというアンケート結果があったが、どっちが先に来てしまったんだろうか。

「好きだったら、いいよね」 は間違っている。

性向同意について考える

2017年に性犯罪の刑法が変わった。 それまで「強姦罪」と呼ばれていたものが「強制性交等罪」に変わった。

これは罪名の変更だけでなく、従来の強姦罪は「膣性交」だけであったのに対して、「強制性交等罪」は膣性交だけでなく、肛門性交、口腔性交などもその対象とし、被害者に男性を認めた。

さらに「暴行・脅迫」要件だけでなく、「不同意成功の処罰化」が議論されるようになった

すでにスウェーデンでは”YES”という同意がない限りはレイプであると規定するに至るまで進んでいる。

< もちろん、ここまで露骨になってしまうことで性交前のムードが台無しになってしまうという批判もあるかもしれないが、お互い同意することが当たり前になってくれればいいよね。

知っておこう 互いのからだ、こころ、性

男性の体について、男性自身もうわさなのか真実なのかわかっていないことも多いし、女性は聞くに聞けない人も多い。

子育てで息子を持っている母親などは苦労する場面も多いという。

FACT1 精子が「溜まり続ける」というのは心理的産物であって、長期間射精しないからといってやばいわけではない。

欲求はコントロールできないが、行動はコントロールする

欲求は、意思にや決意に寄って止められるものではない。

欲求をどのように処理するかが自分自身の問題となる。

「男らしさ」の影にあるのは

「女らしさ」を表す言葉は抑圧のメッセージ(おしとやか、優しい、つつましい)

「男らしさ」を期待する言葉の裏には「女だったらそうでなくたっていいけれども」という女性蔑視のメッセージがある

「女だったら、、、」というより「女ならば」

しかし、逆に男らしさを過度に求められすぎて、女性が求める理想の男像と自分との乖離で自身をなくしてしまったり、自分を攻めてしまったりすることは多いというのは、女性の方も知っておいたほうがいいだろう。

男の人も繊細なのだ。 多くの人は、心は繊細で脳は雑なのかもしれないが。

%% 女性器の大陰唇が伸長したものが陰嚢、 包皮は女性器の小陰唇にあたる。 クリトリスとペニスは同一のもので、クリトリスも体内に7~10cmほど入っている大きな組織である。 %%

勃起を促すのは副交感神経、射精を引き起こすのは交感神経

緊張していたり心が高ぶっているとむしろ勃起しにくい。

女性の体

月経は着床しなかった子宮内膜などを排出するはたらきがある。

ふつうの血液と違い固まらない。

ふつうは、血小板とフィブリノーゲンのはたらきによってゲルになる。

しかし月経血の中にある子宮内膜の組織にはプラスミンという酵素が含まれていて、これがフィブリンを破壊するため固まらない。

一回につき多くて100mlくらいの血液などが出る。

月経痛は出産のときの陣痛と同じメカニズムで引き起こされるもの。

月経時には子宮頸管という普段は閉じられている細い管をとおる。 このため、分泌されるプロスタグランジンという物質が子宮の筋肉を収縮させて排出を促す。

これに伴う痛みが月経痛の基本といえる。

?お風呂に入っているときは血は出にくいと書いてあるがほんとなのか

男性にはホルモンの波というものがないが、女性には黄体ホルモンによる波がある

互いに楽しくなければセックスじゃないぜ

お互いが理解しあえずに、相手のことを勘違いしてしまうケースが多い。

男女差だけでなく、個人差もあるので、その人の意見を聞いてお互いにまんぞくいく形をみつけられるのが大切なことだね。

性病は気を付けような

セックスに関する不安の第一はもちろん予期しない妊娠だろうけど、性病についてもっと考えてほしい。

さまざまな性に関する悩み

自分の性愛についてしんけんに考えたほうがいいね。

同調圧力とか他人の目を気にして、マジョリティに逃げ込んでも自分を偽り続けるか、他人を傷つけ続けながらいきていくことしかできない。

改めて自分の性的指向のこと、自分の「らしさ」について一人一人よく考えてみる必要があるよねっていう話。

結婚するってどういうことなんだろうね

結婚は、しようして初めてできるもの。

冷静で理性的で建設的な営みであり、持続的な人間関係づくりを伴うもの。

恋愛と結婚は連続した関係というよりも、異質な営みといえる。

結婚ってなんなん。

お金の絆? 法律の絆? 子供という絆? 情緒的な絆? 性的な絆?

時代は後ろ2つに重点を置くようになっている。 そして事実婚と法律婚の違いをなくすような動きも世界では一部盛んになっている。

結婚は自立でもなく、忍耐でもない、第3の道、「共生」

相手のことを思いやって共生を猛者狂うことは確かに苦労も多いが、よりいっそう人間として成長できるきっかけになるし、それを乗り越えてこそ結婚にふさわしくなれる。

ひとりで生きて行けるけれども、だれかと一緒なら余計に楽しい!

おわりに

読むのは二度目であったが、人生の成長過程において自分の恋愛体験や結婚観なども変わっていくうえ、時代も変わっていく。 何度も読む必要があるし、自分にとって大切な人に読んでほしい本だと思った。