ドードーをめぐる堂々めぐり
江戸時代初期のこと。『不思議の国のアリス』や「ドラえもん」にも登場する絶滅鳥ドードーが、日本に来ていたらしい!四〇〇年の時を超え、その後の行方を追って、四国へ長崎へ、チェコ、イギリス、オランダへ…ついにはモーリシャス島に這いつくばり生命のワンダーに分け入る!日本史と西洋史、博物学と生物学の間を行き来する旅に、ご一緒しましょう。
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ドードーをめぐる堂々めぐり
物語の中のドードーは、たいてい、太っていて、滑稽で、絶滅している
ドードーをめぐるタイトルありきの言葉遊び
川端裕人は界隈では有名らしく東大卒であり、大手マスコミに努めていたこともあり、非常に知的だろう。
何が売れる本であるかを心得ていて、本で大切なのはインプレッション・インパクトなんだと思っているのだろう。
「ドードーをめぐる、堂々めぐり」
響きの良い言葉にさもありなんな堂々めぐりという言葉。気になって読みだしてみるも、うっとうしい堂々めぐりの使いまわし。
はなから堂々めぐりという言葉を使うためにあえて堂々めぐりな話を見つけてそれをいい感じのところまで掘り下げた挙句にわからなくなったりめんどうになったりしたら調査を棚に上げて
満面の笑みといわんばかりにしたり顔で
「ほらね、堂々めぐりでしょ」
といって章を区切る。
その繰り返し。
うっとうしいというほかない。
その点に目をつむればドードーについての興味を掻き立てるうえでは面白い内容も散見されたので一読の価値はありそうだけれども、ふつうにドードーについて知りたい読者にとってはいやになる「堂々めぐり」の使いまわし、
ドードーに関して一切興味を持ったことがない人が読んでみようかな、と思わせることには成功するが、そのような人が最後まで読み通せるような内容ではないはず。
本書に記載されていたように、日本にもドードーが実際に来たことがあるというのは衝撃的であった。それも、出島にである。あの鎖国期間中によくもまあドードーくんが来られたなぁ。
けれども出島に贈られたのならその後の行方が簡単にわかりそうなのに全く記述されることがない。
それは日本がちょうど同時期に国として解決しなくてはならない問題を抱えていたからである。
次にドードー研究では日本人に有名な人が二人いるというのも初耳であり、自分の無学を恥ずばかりだ。
一人目は蜂須賀正氏(はちすかまさうじ)
彼は徳川慶喜の孫にあたる大名家族で様々な方面に興味を持っていたが鳥類研究にとりわけ傾倒していた。
ちなみに現在ドードーについてわかっていること
- 名前の由来ははっきりとはわかっていない
- 文書記録としては1628年の書簡内の文書が最古
- 学名は”Raphus cucullatus”
- 羽毛の色は褐色・灰色
- 体系については一般的に知られているほどにまるまるしているわけではない
- 飛べない
- 平均60㎝程度
- 頭の長さは20㎝程度(くちばしふくむ)
- 体重は10㎏代
- 生息地はマスカリン諸島(マダガスカル島から800kmはなれたあたりにあるそれぞれ絶海の孤島)
- レユニオン島、モーリシャス島、ロドリゲス島の三つにはすべてドードー類が存在した
- 何を食べていたかは正確にわかっていないが草食だろうといわれている
オランダではドードーに対して罪の意識が国民的感情として存在するらしい
ドードーはまずかったらしいので船乗りたちが好んで食べたわけではないが彼らが持ち込んだネズミや豚などによって卵を食べられたことで個体数が減少して絶滅したのが現在の定説である。
ドードーは人間活動によって貴重な生命が失われた一つの例として教育の場面でよく利用される。
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